とんがり帽子のアトリエ

2018-04-06

本屋に行った時になんとなく表紙に惹かれて買ったマンガなんだけど、なかなか世界観が作り込まれていて良かったので、書きたくなりました(๑و•̀ω•́)و

とんがり帽子のアトリエ

小さな村の少女・ココは、昔から魔法使いにあこがれを抱いていた。だが、生まれた時から魔法を使えない人は魔法使いになれないし、魔法をかける瞬間を見てはならない……。

そのため、魔法使いになる夢は諦めていた。だが、ある日、村を訪れた魔法使い・キーフリーが魔法を使うところを見てしまい……。これは少女に訪れた、絶望と希望の物語。

引用:DMMの電子書籍の説明文

世界観はファンタジーで、内容紹介にもある通り魔法が日常生活に存在する世界を題材にしてます。魔法を使うのは「魔法陣を書く」というので、どこにでもあるような内容なんだけど、魔法陣の仕組みや魔法を使うためのルールというのがよく考えられていて、そこも面白さを出しています。

絵が綺麗で独特の世界観を生んでいる

これは個人差あると思うので、あくまで僕の感覚です。

絵がとても細かいところまで描写されていて、マンガなんだけど絵本を読んでいる感覚に近い。ところどころに差し込まれている絵が、マンガの世界に引き込ませてくれます。

西洋のファンタジーという感じなんだけど、西洋のファンタジー系って絵がごちゃごちゃしている印象ないですかね?このマンガは線も細くスッキリしている印象で、読んでいるとマンガの世界にすごい惹き込まれます。

魔法の仕組みがよく考えられている

通常、魔法に関するアニメやマンガだと、「杖を振りながら呪文を唱えると何か起こる」とか、「よくわからない文字列の魔法陣で何かすごいことが起こる」等のイメージで、そういうものだと何も考えずに受け入れてきた感覚があります。

このマンガが面白いのは、魔法の仕組み全てに一貫した理屈を考えているところ。そして、その理屈がこれまでの魔法を使った他の創作物の世界観を壊していないところ。

※ここの感想はちょっとネタバレなので隠しておきます

見てみる/隠す

魔法を使うためには必ず魔法陣を書かなければいけないルールで、魔法陣は中央に「紋」(火・水・光・風…)を書き、その周りに「矢」(魔法がどんな形で現れるかと大きさ・方向を定める)を書き入れる。この「紋」と「矢」を最終的に「陣」(円で囲う)で閉じると魔法陣が完成する。通常の魔法陣が出てくるマンガだと、規則正しく不思議な文字が描かれていてよく分からないけど何か起こりそうというのを、感覚的に「なるほど」と思えるレベルまで突き詰めています。それと同時に、(これは実際に読んでもらわないと伝わらないかもだけど)組み合わせがいくらでもあって、独自の魔法を開発できるという仕組みがなかなか考えられている。

僕はエンジニアなので、すぐに気づきましたよ!これ、「プログラミングだよね?」と(笑)

さらに、描いたらその場で魔法が発動するというのはもちろんだけど、それ以外に予め魔法陣を描いたものを分けておいて、後から組み合わせて魔法を発動するという仕組みがあって、「なるほど」と思いましたよ。必ずしも魔法を使う直前に魔法陣を描かなくても、あらかじめ用意していた道具で知らない人には急に何かが起こったとしか思えないように見せれる、ということが考えられている。

作中だと靴の裏側に魔法陣が描いてあって、普段は普通に歩いているのだけど、靴を合わせると空を飛べるとか、2つに別れた指輪に魔法陣が描いてあって、合わせるとドライヤーのように熱風が吹いてくるというのが描写されていました。

また、その場で魔法を発動する時は、魔法を知らない人に「描いているところを見られてはいけない」という決まりがあり、フワッフワのマントに手を突っ込んで魔法陣を書きながら、ことば巧みに見ている人の目を逸らさせるという、手品師のようなやり方も描写があって、魔法使いのイメージで言うところの「呪文を唱えている」というのに近いのが、普段から思い描いていた「魔法」と言うイメージを全く崩すことなく、理論立てて世界観が創られているのがとても面白いです。

デザイナーとプログラマーは読むといいかも

絵が綺麗なのは勿論なんだけど、この絵から思い描く世界観とそれを崩さない魔法の仕組みが、全体をトータルでデザインするということの素晴らしさを表していると思う。

また、魔法の仕組みに当たるところは、どう考えてもプログラミングそのもの。プログラマは「魔法使い」とも言われることもあるくらい、一般の人から見たら特殊な存在。このマンガで描かれている「魔法使い」は現代に当てはめればプログラマそのものな気がします(笑)

失敗を前提に試してみる。

主人公がそんなタイプの女の子で、「君はプログラマになるといいよ」とか読みながら思ってしまった(笑)

とりあえあずちょっと気になったら、DMM電子書籍が今は期間限定(4月5日(木) 23:59まで)で、1話分を無料で読めるので、ぜひ読んで見てください。
※期間限定での1話無料は終了しました

こちらは通常版です(。・ω・)ノ゙

とんがり帽子のアトリエ 540円