建設的なフィードバックとは?
コンサル系の会社であったり、コンサルを少しでも業務としている会社に入ると大抵「フィードバック」という言葉を耳にすると思う。僕はシステム開発の会社ではあるけど、業務コンサルやセミナーをやっていたような会社にいたので、フィードバックという文化があったんだけど、「フィードバック」自体を勘違いしている例が結構あったんだよね。
フィードバックとは?
もとが英語なので単純に翻訳をみてみると
- 〔システム工学の〕フィードバック、帰還◆サイバネティクスにおける概念で、システムから外部に出力した信号が戻されて、元のシステムを制御すること。
- 〔視聴者・読者・利用者などからの〕反応、意見、評価、手応え、反響、フィードバック
- 〔音響機器の〕フィードバック、ハウリング◆【同】acoustic feedback ; audio feedback ; Larsen effect
このブログで書きたいのは、「2.〔視聴者・読者・利用者などからの〕反応、意見、評価、手応え、反響、フィードバック」のこと。つまりは、何か製品を使ってみた感想だったり、プレゼンの内容に対する評価・感想だったりのこと。
建設的なフィードバックをするのは難しい
フィードバックってやってみるとわかるけど、結構難しいんだよね。何でかというと、建設的なフィードバックは「自分が経験したこと」からしか出来ないから。つまりは対等な目線でしかフィードバックは出来ないし、そうでないフィードバックは相手に響かなくてイラっとさせる。
製品を利用した結果とかであれば、使った人からの意見はクレームでも単なる感想でも、全てが正しいフィードバックにはなるんだけど、コンサルティング…に限らず製品がない物に対してはそうもいかなくて、フィードバックの対象が、お客さんの所に行って話したこととか、プレゼンの内容についてとか、仕事の進め方についてとかになってくるんだけど、どれもこれも「経験」というのが、「俺の若い頃はな…」になってしまって、意外と見当違いのフィードバックになったりする。
かといって、同年代というだけでフィードバックをさせると、経験の少なさから単なる粗探しになりやすい。
何故フィードバックが必要なのか?
単純に個人や組織、製品の成長のため。
「ジョハリの窓」というのがある。下のような図で表されて、心理学で使われるフレームワーク。コンサルのセミナーによく出てくる。
自 分 は 知 っ て い る | 自 分 は 気 づ い て い な い | |
---|---|---|
他 人 は 知 っ て い る |
『解放の窓』 自分も他人も知っている自己 |
『盲点の窓』 自分は気がついていないが、他人は知っている自己 |
他 人 は 気 づ い て い な い |
『秘密の窓』 自分は知っているが、他人は気づいていない自己 |
『未知の窓』 誰からもまだ知られていない自己 |
僕は最初にこの窓の説明を受けた時に、「じゃあ、『盲点の窓』を伝えてあげればいいのね」とか思ったけど、実はそうではない。何故かというと、人は物事を自分が見たいように見る。つまり『解放の窓』にあたると思っているものが、実は『秘密の窓』であったり、その逆だったりすることもある。
「いや、こんなこと別に知る必要ないでしょ?」と言われれば、確かに知らなくても私生活になんら支障はない。ただ、「知っている」のと「知らない」のは大きく違くて、自分自身の行動の範囲であったり、立ち位置であったりが定義できるというのは、その先の目標に繋げるのにとても役に立つ。
ちなみに『未知の窓』をわざわざ探ろうと、突拍子も無いところから「実はこんなことも出来るんじゃない?」とか言う人もいるんだけど、誰もわからないから『未知の窓』なのであって、探る意味はあまりないかなと思う(笑)
建設的なフィードバックをするには?
これはもう、経験を積み重ねるしかない…のだけれど、現在においては建設的なフィードバックというのがとても難しくなっている気がする。それは、テクノロジーの進化による「利便性の向上」とそれに伴う行動の「多様化」。
過去においては、何年も経験を積み重ねた人。つまり、目上の人からのフィードバックというのは、それを辿っている若輩者としては、とても勉強になるフィードバックだったりしたんだよね。それは自分がこれから成そうとしていることを既に経験しているから。
でも、今はYouTubeなどでの動画解説や、詳しく記したブログ、無料で便利に使えるツール、などが大量にあるため、何年も時間をかけずに手軽にその経験を見聞きする事が出来る。
「私が1年かけてそれをやった時はまず…」
「あ、そのあたりはここの30分の動画にまとまってたので、それを体験した時にどう思ったかとか知りたいんすよね。」
とか言われたら激怒する訳ですね。1年かけて経験した事が30分の動画にまとまっちゃってるんだもん、そりゃあやるせないよ(笑)
その上で、同じような事でも便利なツールだとか、全く別次元の効率の良い方法があったりして、その組み合わせもかなりの数がある。経験を重ねてきた人からすると「何それ?いや、そんな便利な方法、俺は信用しないぞ!」みたいになっちゃうんだよね。
では、どうするのが一番良いのか?
というと、結局は最初に書いた「経験する」事が必要で、実際に長い期間をかけて経験したこともそうれは重要な情報なので、最新のテクノロジーに触れた上で、過去の経験と照らし合わせて現在のテクノロジーを更にブーストするようなフィードバックができれば、とても建設的だと思うんだよね。
これがどうしても感情論になっちゃうので難しい…
こんなことを数日前に PIXIV FANBOX に新しくできたGOROmanさんの「ゴロマン倶楽部」のプチコラムを見ていて考えていたよ。(。・ω・)ノ゙
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