受託開発は信用の先物買いだよね

「受託開発って信用の先物買いだよなー」
そんなことを考えていた。

過去に取引のあったお客様ではなく、新規で取引をするお客様で、親会社とか関連会社とかではなく、なんの関係もない状況。あと、HPのように見てすぐわかるようなものではなくて、普段の業務で利用するようなシステム。

受託でシステム開発の営業に同行しているとよく聞くのは

  • 出来ます
  • やります
  • やってみせます

の3点セット。

全てがそうだとは言わないけど。

特に新規開拓のような場面では、「初めまして〜」のようなお客様に対して、自社の紹介をしてその後に、「何かシステム開発でお困りなことはありませんか?」みたいな出だしをする。

「え?」ってなるかもしれないけど、数打ちゃ当たるで同じようなことを訪問先を変えてやっていれば、10人に2、3人は悩みを打ち明けてくる。もちろん、すごい嫌そうに門前払いする人もいる。僕は技術者なんだけど、その時に困っていそうなワードを出すと、スラスラ話してくれたりもする。今なら「働き方改革」とか「クラウド化」とかになるかな?

これを何度も繰り返せば、その内やけに気の合うお客様と出会い、仕事を発注して貰えたりする。こんな成功体験があるからこそ、「飛び込み営業」や「地域の会社を調べて片っ端からアポ電」という修行が生まれるのだろうなと思う。

これも一つの方法だし、問題あると思ってはいない。

ただ、このやり方ってお客様の目線で見ると、実績がないとは言わないまでも、直接体験した訳でもない人達に、それなりの費用を出す。プロトタイプを用意したとか、Webデザインのように見て判断できるものを提供しているのであれば、それは信用に足るものではあるけど、僕がこの業界に入ってから教わったのは、「コードの行数から人月を計算する」「ファンクションの数で人月を計算する」とかそんなのだった。(多分ちゃんと調べればもっとある)

でもね、システムの開発って単純作業ではなくて、本当に色々な人、人、人が関わってくる。そうすると、事前にどんな形で見積もったとしても、横やりやそこに関わる人達の利潤に沿って、見積り通りに行くとは限らない。だからこの業界では「見積りKKDだ!」とか言われてしまうんだよね。

そしてそれは結構正しい。

そんな方法で算出された見積り金額に対して、ハンコを押す・押されるというのは、「相手を信頼することを先物買いしている」と思ってしまう。そしてその信頼が間違いだった時に裁判沙汰にまで発展する。

僕は結構な頻度で、「初めてのお客様へ提案するときは、期待値をガンガン下げるべき」と言っているけど、みんな聞いてくれないんだよね・°・(ノД`)・°・

信用買いするのに高値つかませちゃうと、後で大変なことになっちゃうからだYO(。・ω・)ノ゙

以前何かで聞いた話だけど

100人を50人ずつに分けて2択の予言をする。
片方は外れるけど、もう片方は必ず当たる。
残った50人を25人ずつに分けて別の2択の予言をする。
片方は外れるけど、もう片方は必ず当たる。

…と繰り返して行くと5回繰り返したところで1人か2人残るのだけど、残った人からすると「この人は本物の預言者だ」と思わせることができ、そこまでやれば、あとは好きなだけお金を巻き上げることができるというのを思い出した。

実話かどうかはわからないし、ググっても見つからないんだよな〜