就活していた頃のこと

なんか急に思い出してしまった。

ちょっと面白い本読んだり、フランス人のインタビュー記事で「就職活動では服や靴、髪型まで同じことが多いです」というセリフを見たり、2週間前に若い営業の子に「お客さんはとりあえず予算確保のために見積書を必要としているから、正式な契約書の内容はあとで詰めるとして、社内的に問題ないなら早めに見積書提出してあげてください」とお願いしたにも関わらず、2週間前とほとんど同じ説明を今日したからかもしれない。

僕が就活をしていたのは2003年頃。大学3年生の時。確か「就職氷河期」と言われていた気がする。上に書いたように、どの就活本を見てもまず「身だしなみから」で、服や靴、髪型を指示しているものが多かったと思う。僕は、母親から「リクルートスーツ必要でしょ?スーツ屋に行きましょう」と言われ、「え?いらないよ。スーツ(礼服)持ってるもん」と真顔で答え、無理やりスーツ屋に連れて行かれました。(当時は礼服とスーツの違いを良くわかってなくて、「キャスターついてるから5年ぐらいはこれで十分」とか思ってた)

僕が就職活動していたころは、100社200社当たり前みたいな時代で、今もそうなのかな?、何十社も受けるから、当時は大学の同級生とかだけでなく、説明会とかでグループワークした後に、初めて会った就活生同士でお茶して情報交換とかもあった。今考えるとすごい不思議。一期一会という感じだった。

今は就職活動しないで、独立している人もそれなりにいるけど、当時は全くそういう風潮はなく、「新卒でないと就職はほぼ壊滅的」という感じだった。だから、就職するか?大学院進むか?で結構な人が悩んでいたし、就職活動失敗した人は無理やり大学院行ったりしてた。僕も大学院行くかは少し悩んだけど、ずっと親に負担かけてると思ってたから、ちゃんと就職しようと思った。

就職活動の最初は業界選びからだった。正直、すんごい何かやりたいというのがあったわけではなく、色々考えた結果、次のようなことを考えたと思う。

  • ものづくりがしたい
  • パソコンは詳しい
  • 業界にとらわれず色々なことを体験したい

色々な業界を見ていた中で、システム開発関連であれば「自分が詳しいパソコンの分野でものづくりができる」「色々な業界を体験できる」そんなことを思い、就職活動期間中にシステム開発業界を中心に活動するようになった。小規模、大規模な会社のどちらも就職活動をしたが、大企業で歯車のように働きたくはないが、小規模な会社は説明会もどこか胡散臭くて怪しい、中規模な会社であれば、ある程度の自由度を保ちつつ、長く勤めることができそうだ。そんな風に考えていたと思う。

就活していた中で、「あ、これは僕の求めている会社だ」とすごい思った会社がある。最終面接で落ちたんだけど、その内容が今でも印象に残っている。

会社の説明会を聞いた時に、人事の人が業界についてすごい丁寧に説明してくれて、「我が社に来ないという選択をしても構いません。でも就職活動されている皆さんにはこの業界のことをちゃんと理解して欲しい。」ということを言っていたと思う。それですごい「いい会社だ」と思って、その後の1次面接、グループディスカッションと、とても楽しくて人事の人にも「素晴らしいね」みたいなことを言われた覚えがある。なんかもう「採用されるだろう」としか思っていなかったし、この会社の就活を進める内に「もう他の会社の面談とか行く必要ないな」とか勝手に思ってほぼ就活終えてた。

そして最終面接。

最終面接は人事の方は同席せずに、技術(現場)の役員の方との面接だった。僕はもう、それまでの採用活動を通して、その会社が好きになっていたので、就活本に書いてあるような返答丸暗記のようなことは一切話さず、その思いを役員の方にぶつけましたよ。当時はすごい緊張してたけど。それで、その役員の方から言われた一言。

「君が共感しているのは、うちの会社の理念ではなく、うちの人事の理念だよ。人事は現場の人間じゃないんだよ!」

そして落ちた。

すんごいショックだったけど、確かに人事の方に惚れ込んでたところは大きかった。いやでもそうでもない気がするけど…なんか今考えると「じゃあなんでそんな奴が採用活動してるんだよ!」と言いたい。もう遅いけど。

これが当時の4月頃の出来事。この頃の就職活動は「大学3年の12月頃から初めて、翌年の3月中に決まらないと、その後は辛くなる。」というのが通説だった。そして、自分から勝手にほぼ就活を終えていたので、結構絶望的だった。もう大学院行っちゃおうかなとも思った。

その後はもう、「このまま就職できなくてもいいかな〜」とかもう強気なのかヤケクソなのかわからない、吹っ切れたような就活をしていたんだけど、今の会社はそこから1ヶ月もしない内に内定を貰った。

これもちょっと変だったんだけど、会社としては上に書いた会社と非常によく似た社風だったので、1次面接に進んだんだけど、僕はその1次面接に10分遅刻してしまったの。単純に道に迷ったんだけど、正直もう「あ、これは遅刻確定だな」と悟った時に、「このまま帰るか」とも思ったけど、遅刻しながらも面接に行ったんだよね。面接官は「もう来ないな」と思っていたみたい。当然、第一声は「なんで遅刻したの?」で、僕はそのまま「道に迷っちゃって」と言ったら、「説明会もここだったけど、来たんだよね?」と、そりゃあ疑うよね(笑)でも本当に道に迷ったの。新宿で。東京生まれ東京育ちだけど(笑)面接官は2人いたんだけど、その疑っている人とは別の人は、ひたすら笑ってた。

もう、「これは落ちただろう」と思ってたら、ある日電話がかかって来て人事の人から「1次面接が通りましたので、最終面接の日程を…」と言われて、「えぇ?こないだは遅刻してすみません。」となんか変なやりとりをした気がする。最終面接はなんかすごい偉い人が出て来て世間話して終わった気がする。(冒頭から「もう採用なのは決まってるから」とか言われた気がする)

そんな遅刻をした人間を採用するような会社だったけど、ここ2、3年は働き方改革を始めたことで、なぜか遅刻にうるさくなっている。「早出、残業は時間外勤務だからダメ」ということになったからだと思っている。

面白い採用のされかただったけど、今は離れるために努力している。

よくよく考えてみると、僕は会社に所属するのには向いてない人間なのだと思う。

中規模だろうが、小規模だろうが、会社という枠組みに入ってしまえば、年数が経つことで結果的に歯車のように働かされることになる。(「日本企業では」を頭につけるべきなのかもしれない)会社はやはり事業を拡大したいと思うので、人をどんどん雇い入れる。所属年数が上がっていけば、「指導する立場」に立たされる。新しく入った人は、自分が面談したり、採用の意思決定した訳ではないのに、「指導しなければいけない」という立場にされてしまう。

こうなると自分自身が望む・望まないに限らず、部下という重りを会社に勝手にぶら下げられて、その重りを引きづりながら、今までやってきた仕事もこなさせられる。全てがそうとは思わないけど、結局企業に長く勤めるとそういう立場に押し上げられる(引っ張り上げられる?)のだと思う。何よりそんなことを上司にあたる人は常に言っていて、まるで「自分は半引退をするから君達は僕のために働きなさい」と言っているようだった。

入社当時は、システム開発の現場を見て、プログラマ→設計→リーダー→マネージャー となって行くのだろうと将来の展望を考えていた。実際にそのとおりになったが、だいぶ虚しい。そういえば、忘れていたけど、「ずっとこの会社にいるつもりはない」とも考えていた。いつの間にか、部下がつき、客がつき、それらを守ろうと頑張り、組織変更が頻繁にあるので、組織変更の度に新たな上司にはまだまだ甘いと何の根拠もなく告げられ、素直に皆の意見を聞いた結果は、心の底から仲間と呼べるレベルの人間がいたはずだったのに、ある人は去りある人はいつの間にか部下になっていて、皆が重りのようにぶらさがっているように思えてしまった。

あれ?なんかタイトルからすごいズレた内容になった気がする(笑)

世間的に「こうしたら良い」というのは、「必ずしも正しくはない」と思ったのです。全然そんな感じの内容じゃないね(。・ω・)ノ゙