2018年11月15日のBCHハードフォークへの取引所とウォレットの対応

2018-11-15

BCHが11月15日にハードフォークを予定している。正確な時間はUNIX時間で1542300000。日本時間に直すと2018年11月16日 01:40:00。もうちょっと正確に書くと、ブロックタイム(過去11ブロックから算出した中央時間)が1542300000(UNIX時間)以上でハードフォークする。実時間は目安でその前後でフォークする。

BCHのハードフォークは年2回実施することが計画されているので、ハードフォークすること自体は計画通りなんだけど、今回に限ってはビットコインABCとnChainの対立によって、BCH自体がさらに分裂する可能性がある。あくまで可能性。

以下は現時点でわかる限りの取引所とウォレットの対応。明確に対応方針を提示しているところはあまりないような気がする。

※コメント内容は引用ではなく、僕の理解で記載しているので、正確な情報はURLの内容をみてください。

取引所

coinbase

公式の発表
Coinbase update on November 2018 BCH Hard Fork

  • ハードフォークの1時間前からBCHの送受信を停止する。
  • アップグレード終了後にチェーンが分岐していた場合、どちらも取引が行えるようにサポートする。

Binance

公式の発表
Binance Will Support the Upcoming Bitcoin Cash Hard Fork

  • 2018/11/15 15:00 (UTC)にBCHの送受信を一時停止
  • 2018/11/15 16:40 (UTC)時点でスナップショットを取得
  • BCHの入出金が可能になった時点でアナウンスをする。

チェーン分岐した場合に、どちらをサポートするか?両方サポートするか?は明言していないが、スナップショットを取得すると言っているので悪いようにはしないと思う。

追加の発表で分裂した場合はBCHABCとBCHSVを1:1で付与すると明記していた。
Further Information Regarding the Upcoming Bitcoin Cash Hard Fork

CoinEx

公式の発表
Statement on Bitcoin Cash Forking – Bitcoin-SV (BSV)

  1. フォーク中の「スナップショット」に基づいて、BCHの1対1の比率に対してBSVを各アカウントに割り当てる。
  2. フォーク後、BSV / BCH取引ペアをCoinExでリリースし、BSVを購入または販売できるようにする。
  3. チェーンが安定し、ウォレットなどのすべてのサポートサービスが利用可能になるまで、BSVの入出金はサポートしない。

SBIバーチャル・カレンシーズ

公式の発表
ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークについて

  • BCH保有者には新コインを供給する予定(現金で支払う可能性もある)
  • 2018年11月15日時点前後の保有残高にかかるデータを取得、保管する
  • 11月15日前後の一定期間において、BCHを取引停止とする可能性がある
  • BCHおよび新コインの取引は、新しいブロックチェーンが安定し、ウォレットを含むすべてのサービスが利用可能になったと判断した場合に、開始する。

SBIはnChainとパートナーシップを締結しているから、追従しないわけには行かないけど、日本の取引所で上場するには金融庁からのお墨付きがないと色々と問題があるので、最悪の場合は現金での支払いということだろう。

POLONIEX(11/8追記)

公式のアナウンス
Pre-Fork Trading for Upcoming Bitcoin Cash Hard Fork

POLONIEXはちょっと特殊。現時点でプレフォーク取引として、 Bitcoin Cash (BCH) からBitcoin Cash ABC (BCHABC) とBitcoin Cash SV (BCHSV) に変換して、先物取引のようなことができるようになっている。一応、BCHに戻すこともできるみたいだけど、11/15までにどちらかが取り下げた場合、それまでの取引で数量が変動していた場合は、元に戻せない可能性があるので結構怖いね(1BCH=1BCHABC + 1BCHSVのようなのでどちらかが不足するとその分は戻せない)

ハードフォーク当日の対応は

  • 2018年11月15日 14:00 (UTC)にBCHの入出金を停止
  • 同 15:00 (UTC)に取引を停止してスナップショットを取得
  • スナップショットを元に BCH → BCHABC & BCHSV(どちらもBCHと同数)に変換しBCH市場はクローズ

と、すでにBCHABCとBCHSVという2つに分離する前提としている。ネットワークが安定したら、すぐに入出金にも対応するっぽい。

すげー攻めるな。僕は恐ろしくて利用する気にならないけど、利用するなら自己責任でどうぞヾ(;´▽`A“

結局POLONIEXに送ったので追記(11/15)

元々は保持しているBCHを全てTrezorに保管したまま置いておこうと思っていたんだけど、現状のハッシュパワーの配分や先日発生したストレステストの結果を見て、考えを変えた。今回はちょっと通常のハードフォークとそれに伴うスプリットとは違うと思う。

とりあえず、僕の考えた一番危険だと思われるシナリを記載しておく。

当初はABCとSVでハッシュパワーはABCの方が優勢ではあった。また、各取引所やウォレットは以前からABCのクライアントを使っていたこともあり、「ハードフォーク後の結果で対応は検討するが、フォーク後はABCをフォローすることになるだろう。」というアナウンスも多かったので、チェーンが分岐しても基本は現状のBCHをABCクライアントが引き継ぐだろうと考えていた。(ABCがリプレイプロテクションをつけたとしてもです)

ただ、現状のSVの方がハッシュパワーが多い状況を見ていると、一番危険なのはSVチェーンが現在のBCHチェーンから継承する可能性が高くなってきたと思っている。そうなると厄介なのは上で記載したように、各取引所やウォレットの多くはABCクライアントをサポートしているということ。

SVチェーンがハッシュパワーで勝利し、ABCチェーンがリプレイプロテクションをつけて別チェーンへ移動した場合、各取引所やウォレットが対応するまで数ヶ月かかることが考えられる。そうなった時に、一時期は価格が高騰するかもしれないけど、取引や通貨として利用できないことでユーザが離れていき、長期間で見ると暴落する可能性もある。

これは最悪な状況のシミュレーションだけど、そうなった場合に何もできず見ているしかないウォレットに預けておくのと、取引所内での取引とはいえ売買が可能なのでは全然意味合いが変わってくる。また、BCHとしての入出金はしばらくできなくても、BTCなどに変えれば入出金も可能となると、POLONIEX のようなBCHABCとBCHSVの取引が可能だと明確に表明している場所に預けた方が、今後の動きには良さそうだと判断しました。

その他の取引所(11/8追記)

他の取引所もアナウンスを始めたけど、大体はどこの取引所もアナウンス内容は同じで以下のような内容

  • ハードフォークの数時間前に取引を停止
  • ハードフォーク直前にスナップショットを取得
  • 取引再開は状況次第

仮に新コインが誕生した場合、付与するか?に付いては明言していない。

ウォレット

Ledger

公式の発表
Upcoming Bitcoin Cash (BCH) Fork: What Does This Mean For You?

  • Bitcoin Cashサービスを一時停止する
  • どのくらいの期間サービス停止になるかは不明
  • 停止期間は技術的、経済的に安定したチェーンになることが明らかになるまで

TREZOR(11/8追記)

TREZORはTwitterでアナウンスしていた。

  • Bitcoin ABCの提案を受け入れる
  • 出現する可能性のあるもう一方のチェーンについてはユーザ自身が作業を行うよう勧告
  • Electron Cashは全てのチェーンをサポートしています。ユーザは自分でどのチェーンをサポートするか選択できる。

とりあえずはABCをサポートで、SVについては自己責任でという感じだね。

BCHはどこで保管しておくのがいいのか?

分裂する可能性はゼロではないけど、現時点で ビットコインABC も nChain もリプレイプロテクションをかけないようなので、分裂せずに純粋にどちらのチェーンが伸びるかになりそう。ハッシュパワーが拮抗し、どちらのチェーンも一進一退のような状態になった場合は、どこに保管していてもしばらく送受信はしないほうがいいと思う。

仮に後付けでもどちらかがリプレイプロテクションを実装したとして、すぐにどちらの取引もしたいと思うなら、coinbase か Binance に預けるのが良さそう。ただし、Binanceについてはすぐに取引可能とするかは明記していない。

その他はあまり情報はないけど、今現在のBCHがなくなることはないだろうから、新コイン含めてしばらく入出金するつもりがないならどのウォレットに入れておいても問題ないと思う。

一番良くない行動は入出金含め、残高を動かしてしまうことだと思う。

分散化という意味では面白い状況だし、ライブで観察できるのはなかなか楽しい。チェーンが分岐せずにどちらかのプロダクトが採用されることになるのか?チェーンが分岐しそれぞれの道を歩むことになるのか?行方を見守るのは面白そうだね。ミュージシャンでいうところの「音楽性の違い」というのに近いよね。

現時点でこの先どうなるかをちょっと予測しておいてみよう。個人的な趣味で特に他意はないです。

  1. チェーンが分岐しそれぞれの道を歩む(90%くらいの確率)
  2. どちらかが妥協し仕様が統合される(5%くらいの確率)
  3. 2つのチェーンが伸び続けて競争が激化…の間に脆弱性を突いた攻撃を受けてBCHの価値が大きく損なわれる(5%くらいの確率)

さあ、どうなるかなー(。・ω・)ノ゙